ミドリムシと言えば、田んぼや沼に生息していて、理科の観察でおなじみの微生物ですが、最近は、その栄養成分などから、健康食品として注目を集めるようになったり、バイオ燃料の元になることから、環境問題に取り組む観点からも非常に熱い話題を提供しています。
ミドリムシは、ムシという名前から、虫じゃないの?と子供の頃は純粋に疑問を持ちましたよね。実際には藻の一種なんですね。たまにミジンコやゾウリムシと混同してしまっていました。もちろん、駐禁の取り締まりをする係員の人のことでもありません!虫というにはとても小さく、肉眼ではほとんど確認できません。
いろいろな種類があるようですが、大きさはどんな感じなのか調べてみましょう。
ミドリムシ(ユーグレナ)は動物?植物?色々な効能で実用化が進む
ミドリムシは、真核生物ユーグレナ類ユーグレナ藻綱ユーグレナ目ユーグレナ科ミドリムシ属の総称で、最近はユーグレナ類を総称することもあります。鞭毛運動をする動物的性質を持ちながら、葉緑体を持ち光合成をする植物的性質も持っています。
分類としては藻の一種なんですね。動物と植物、両方の特徴を持つため、野菜に含まれるようなビタミン、ミネラルに加え、魚が持つようなDHA、EPAといった不飽和脂肪酸なども含む59種類もの栄養素を持っている点が注目され、ミドリムシの栄養だけで人間は生きられるのでは、とも言われています。すごいですね。
豊富な栄養素や、パラミロンなどの健康成分を生かしたサプリメント、ジュース、クッキーなどが販売されていますね。
そして最近は、培養方法によってミドリムシの体内に軽油に近い成分をためこむ性質を生かして、バイオ燃料の生成にも成功しており、すでにその燃料を使ったバスも走り始めています。
人間の健康にとっても、環境にとっても、これからものすごい働きをしてくれそうな微生物なんですね!
ミドリムシはどんな種類がいる?大きさはどのくらい?
ミドリムシは現在200種類以上が知られているそうで、まだまだ調査中とのことですが、いくつか挙げてみます。
ユーグレナ・グラシリス、ユーグレナ・プロキシマ:典型的なミドリムシの形をしたもの
ユーグレナ・エーレンベルギー:丸い大型のミドリムシで、日本の池などに生息
ユーグレナ・オキシリウス(オオミドリムシ):大型のミドリムシ
ユーグレナ・サングイネア:赤いミドリムシ
ユーグレナ・ギガス:体が尖っていて、すぐにねじれる
葉緑体を持たず、捕食生活をする種類もあるようですよ。
ユーグレナ・グラシリスが、現在、培養に成功し、様々な産業への実用化が進んでいる種類です。
ミドリムシの平均的な身体の大きさは0.03mm~0.5mm(30μm~500μm)、幅が0.005mm~0.04mm(5μm~40μm)です。
ユーグレナ・グラシリスの大きさは大体0.05mm、幅0.01mmですが、ピンとこないですよね。日本人女性の平均的な髪の直径が0.07mm~0.08mmなんだそうです。ミドリムシの体を縦にしても、髪の毛の太さにちょっと足りないくらいです。
この小さなミドリムシに、いろいろなパワーがあるんですね!
ミドリムシ(ユーグレナ)とミジンコ、ゾウリムシの違い
子供の頃は、ミドリムシとミジンコやゾウリムシとの区別があまりつかなかった記憶がありますが、今改めて聞かれると、やはりはっきり答える自信がないので、確認します。
ミドリムシは先に調べたように、藻の一種。
ミジンコは、淡水の中でプランクトンとして生息する、微小な甲殻類。環境のいいときにはメスを産み、危機下ではオスを産み交配する、という面白い生態があるようです。人間よりも遺伝子の数が多いのだとか。ミジンコは、ミドリムシなどを食べて成長します。体長は1.5mm~3mm。大きいものは5mmにもなるそうです。
ゾウリムシは、ミドリムシ同様、田んぼや沼の止水域に生息する単細胞生物ですが、繊毛虫の一種。捕食性の動物です。大きさは0.17mm~0.29mm。よくメダカの餌になります。
このような違いがあります。改めて調べるといろいろ違いますね。
ミドリムシの研究がもっと進んで、いろいろな場面で役に立つといいですね。
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