ハイアスアンドカンパニー、くふうカンパニーと資本業務提携。目的は

2021年4月14日、ハイアスアンドカンパニーとくふうカンパニーの資本業務提携契約締結の発表がありました。

くふうカンパニーが1株138円でTOB（株式公開買付）を行い、また、ハイアスアンドカンパニーから第三者割当を受けます。TOBが成立すれば、ハイアスアンドカンパニーはくふうカンパニーの連結子会社になります。

このニュースに、株価は急騰し、同日、200円を超える値を付けるまでになりました。

ハイアスアンドカンパニー、くふうカンパニーの資本業務提携はどのような効果をもたらすのでしょうか。

ハイアスアンドカンパニー(HyAS & Co)のプロフィール。過去には不祥事

ハイアスアンドカンパニーの概要です。

業種はサービス業とありますが、中小工務店などを対象とした経営コンサル業務や支援ソフトを提供するなど、不動産関連のコンサルティングをメインとした業務です。

2016年にマザーズ上場、2020年には東証一部上場しましたが、不正会計や、上場申請書類の虚偽記載が発覚し、2020年12月にマザーズに市場変更となりました。

2020年の7月に、東証一部へ市場変更しましたが、その前月の6月に、2016年の不正会計に関する情報がもたらされていました。その後、不正会計が調査により明らかとなり、東証一部への市場変更に際しても、不正を認識していながら、報告を怠るなどの事実が認められました。

2020年9月～12月だけで、創業者の濱村氏→川瀬氏→福島氏へと社長が交代することにもなりました。

ハイアスアンドカンパニーとしては、濱村元社長や、旧経営陣の大株主に対して、保有株式の処分を求めているところでありました。

業績としては、2021年4月決算の見通しで増収増益となっています。ただし、不正会計等に関わる調査、追加監査費用等は特別損失として計上されます。

くふうカンパニーのプロフィール。結婚、不動産、金融等…拡大中

くふうカンパニーの概要です。

事業・サービスとしては、「オウチーノ」等不動産関連事業、「みんなのウェディング」等結婚関連事業、「Zaim」等金融関連事業、「ヨムーノ」等メディア関連事業、「ごっこランド」等子供関連事業のほか、デザイン関連や、投資・起業支援の分野にも乗り出しています。

業績としては、コロナ禍による戦略変更で中期計画を先送りするなどして、9月期第1四半期では前四半期比で減収減益となっているものの、黒字は堅持し、おおむね向上の見通しを持っています。

また、今回のTOBに際しては、取締役会長で実業家、菊川怜さんの夫でもある穐田誉輝（あきたよしてる）氏からの借入も行っています。

ハイアス、くふう資本提携の狙い、効果は？市場の反応、株価も

くふうカンパニーは、2018年10月にオウチーノとみんなのウェディングが経営統合して設立されて以来、インターネットを介した不動産関連サービス、結婚関連サービスを主力として業務を拡大しています。

今回、ハイアスを傘下に入れることで、住まいのワンストップサービスを提供し、結婚や住宅を絡めた、ライフイベント事業の開発などを推進していくようになります。

市場では、ハイアスアンドカンパニーの株価が２００円未満という値ごろ感から個人投資家などの短期筋による買いが集まり、4月14日始値153円から、14日、15日とも205円を付ける場面も。また、TOBに関して、旧経営陣の柿内氏、西野氏については、応募契約を締結しておらず、これから働きかけるとのことで、TOB価格引き上げがありうるのではとの思惑も出ています。

今後のTOBの行方、また、両社のサービス向上や業績推移など、注目点が多いですね。