意外にも歴史の浅いラグビーワールドカップと、日本代表のこれまで
2019年の、ラグビーワールドカップ日本大会は、日本代表の感動的な活躍もあり、大成功に終わりました。日本代表だけでなく、海外の代表の中でも、沢山のスター選手が脚光を浴び、スーパープレーに皆が目を見張りました。この大会でラグビーに素晴らしさを知って、ファンになった方も多いのではないでしょうか。
今から、次回のラグビーワールドカップが楽しみになっていることでしょう。次回は、2023年にフランスで開催されることになっていますが、そのフランス大会は、記念すべき第10回となります。第10回ということは、ワールドカップは4年に1度ですので、まだ30年ちょっとしか歴史がないということで、意外に感じる方も多いかもしれませんね。
第1回は1987年のニュージーランド、オーストラリア大会でした。それまでラグビーの国際試合は、強豪国同士の定期戦が主で、あまり世界大会開催への機運が高くありませんでした。というのも、イギリスの上流階級の間のみで普及が始まったスポーツであったため、長らく「アマチュアリズム」精神を掲げており、ラグビーをすることでお金を稼ぐことを良しとせず、興行的な盛り上がりを嫌う側面があったのです。
ワールドカップが開催されるようになってからは、各国で世界一を目指すための強化が進むようになり、また大会を開催するための資金を確保する目的などからも、ラグビーのプロ化への流れが作られ、1995年にプロ化解禁となると、強豪国では次々にプロリーグが生まれ、一気にラグビーの競技レベル向上も加速していきました。
その流れの中で、日本では、世界でプロ化が進んでいる間もアマチュアリズム精神に固執してしまった期間が長く、取り残された面があります。ラグビーワールドカップでは、第7回までで日本はすべて出場しながら、1勝(対ジンバブエ)しか挙げていませんでした。中でも、第3回大会で、日本はニュージーランド戦で17-145と、ラグビーワールドカップ史上最多失点を記録してしまい、それまで日本の国内では一定の盛り上がりを見せていたラグビー自体が、不人気なスポーツに転落していくことにもなりました。
それでも、第8回大会では、エディー・ジョーンズ監督の指導の下、日本代表は目覚ましい活躍を見せ、常に世界のトップを争う南アフリカ代表を撃破するという快挙を成し遂げ、この大会だけで3勝を挙げるなど、世界を驚かせました。これで一時はラグビーフィーバーが起きましたが、日本のラグビー界自体がこれほどまでの盛り上がりを想定できていなかったこともあり、一気に波を作ることができませんでした。
そしてやっと来た2019年の日本大会では、それまで積み上げたラグビー普及活動、日本代表の強化が実り、あのような結果を生み出すことができたのです。
そんな流れを見てくると、ラグビーワールドカップ2023は、日本代表の更なる活躍に期待ができそうで、今から本当に楽しみですね!フランス開催ですが、是非とも現地で観たいですよね!
というわけで、このブログでは、ラグビーワールドカップ2023フランス大会に向けて、現地に観に行くぞ、という機運を高めつつ、2019年大会でにわかファンになってくれた方々にも、更にラグビーの素晴らしさを感じてもらえるよう、発信していきます。
第1回から第9回までのワールドカップ戦績
2023年のワールドカップに向けて、第1回から第9回までの記録を見ておきましょう。
回 | 年 | ホスト国 | 優勝国 | 日本代表成績 |
1 | 1987 | ニュージーランド、オーストラリア | ニュージーランド | 3敗 |
2 | 1991 | イングランド、ウェールズ、スコットランド、 アイルランド、フランス | オーストラリア | 1勝2敗 |
3 | 1995 | 南アフリカ | 南アフリカ | 3敗 |
4 | 1999 | ウェールズ | オーストラリア | 3敗 |
5 | 2003 | オーストラリア | イングランド | 4敗 |
6 | 2007 | フランス | 南アフリカ | 3敗1分け |
7 | 2011 | ニュージーランド | ニュージーランド | 3敗1分け |
8 | 2015 | イングランド | ニュージーランド | 3勝1敗 |
9 | 2019 | 日本 | 南アフリカ | 4勝1敗 |
こうして見ますと、本当に、日本の近年の活躍が目覚ましいなと感じますね!
優勝回数を数えてみると、ニュージーランド3回、南アフリカ3回、オーストラリア2回、イングランド1回となっています。ラグビーはイングランド発祥のスポーツですが、イングランドが1度優勝している他は、南半球の3強が独占している状況です。
ワールドカップが始まった頃は、世界の強豪と言えば、ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカの南半球勢と、イングランド、ウェールズ、スコットランド、アイルランド、フランスの欧州勢を合わせた8つのラグビー伝統国と呼ばれるグループが8強とされていました。2019年の日本大会の終わりころからよく聞くようになった「ティア1」というグループですね。
そこから少し離れて伝統国を追いかけていたのが、フィジー、サモア、トンガなどの南太平洋の強豪国、欧州はイタリア、南米はアルゼンチン、北米ではカナダ、アメリカ、そしてアジアでは日本、という勢力でした。まだまだありますが、この辺りはティア2と区分けされるグループでした。(ちなみにイタリアは、上記の8強には入れないものの、伝統国、という意味合いから、以前からティア1に属していました)
その中でも、アルゼンチンが次第に伝統国を脅かす存在になり、1999年大会では8強入りするなど、上位に食い込んでくるようになると、ティア1として認定される国になりました。日本も、2019年大会の活躍もあって、ティア1として認定されたのは記憶にある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ティア1として認定された日本は、これまで以上に、強豪国との試合を組む機会に恵まれるようになります。日本が、ワールドカップでなかなか勝てなかった頃は、タフな国際試合を組む機会が圧倒的に少ないのがネックでしたが、この昇格は日本代表の強化にとってはとてもプラスですし、日本代表がいろいろな強豪国と試合をするのを観る機会が増えるのは、ファンにとっては素直に嬉しいですね!
2023年が待ち遠しいですが、それまでも沢山のハイレベルなラグビーの試合を楽しむことができますので、今からそれらを堪能しながら、気持ちを盛り上げていきましょう!
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