ラグビーワールドカップ2019日本大会では、数々の感動的な激戦が繰り広げられました。今までラグビーに興味のなかった方でも、手に汗握って中継をご覧になった方は多いのではないでしょうか。
ワールドカップ以外では、ラグビーの国際試合はどのような感じになっているのでしょうか。以前の投稿で、かつての世界8強を挙げましたが、やはりそれらの伝統国が中心になっています。
テストマッチは真剣勝負の国際試合。出場選手にはキャップ贈呈。
ところで、ラグビーでは公式な国際試合のことをテストマッチと呼びます。言葉の響きとしては、練習試合とか親善試合のように思えてしまいますが、れっきとした真剣勝負の国際試合のことです。これは、かつてイギリスの自治領であったニュージーランド、オーストラリア、南アフリカが、経済・文化では勝てないがラグビー、クリケットでは対抗することができたので、イギリスに対して力を試す場であったことから、そのような呼び名になったとのことです。
このように、ラグビー、クリケットでは真剣勝負の国際試合のことをテストマッチと呼ぶようになった後に、他のスポーツでも使われるようにはなったのですが、ラグビー、クリケット以外のスポーツでは、必ずしも真剣勝負の試合を指すとは限らず、親善試合や非公式の試合を指す場合もあるようです。
また、テストマッチに出場した選手には、その栄誉を称えてキャップが贈呈されます。文字通り帽子です。よく、テストマッチの中継を観ていると、選手紹介の際に『~キャップ』です、という説明がされますが、これは、獲得したキャップの数、すなわち国際試合の出場回数を意味します。日本人の最多キャップ数は98で、昨年2020年に引退された大野均さんの記録です。
欧州はシックスネーションズ、南半球はザ・ラグビーチャンピオンシップ
話は戻って、伝統国を中心としたテストマッチについてですが、8強のうち欧州のイングランド、ウェールズ、スコットランド、アイルランド、フランスは、『ファイブネーションズ』という対抗戦を毎年開催していました。2000年からはイタリアが参戦して『シックスネーションズ』になっています。
一方南半球の3か国は、『トライネーションズ』という対抗戦を開催していました。2012年からは、アルゼンチンが加入し、『ザ・ラグビーチャンピオンシップ』という大会になっています。アルゼンチンの成長が著しく、常に世界のトップ3を争うニュージーランド、オーストラリア、南アフリカという強豪を相手に白熱した試合を見せていて、本当にエキサイティングな対抗戦となっています。
日本はパシフィックネーションズカップ所属。近年はランキング上昇中
日本は、上記2つの大会には地理的にも実力的にも参加することはできず、太平洋エリアの国々を中心とした大会に参加してテストマッチを経験してきました。フィジー、サモア、トンガ、アメリカ、カナダ、香港などと対戦していた『パシフィックリム選手権』、アメリカ、ロシア、中国などとスタートした『スーパーパワーズカップ』などを経て、現在は、2006年に始まった、フィジー、サモア、トンガ、アメリカ、カナダなどと対戦する『パシフィックネーションズカップ』に参加しています。
2000年くらいまでは、日本はアジアの中で何とか1位を確保していた、というイメージでした。そのころまでは、韓国、香港なども強かったので、日本は格上ながら、テストマッチでは苦しめられることがよくありました。
その後は、次第にアジアでは敵なしになってきたものの、フィジー、サモア、トンガ、アメリカ、カナダなどにはどちらかというと負けることの方が多いかなという戦績でいました。
2012年のエディー・ジョーンズのヘッドコーチ就任以来は、これら5か国との試合にも、安定的に勝てることが多くなってきて、今では日本の方が格上、という雰囲気になってきています。本当にここ10年くらいの日本の成長は素晴らしいです。
現在の世界ランキングをチェックしてみましょう。
順位 | 国名 |
1 | 南アフリカ |
2 | イングランド |
3 | ニュージーランド |
4 | フランス |
5 | アイルランド |
6 | オーストラリア |
7 | スコットランド |
8 | アルゼンチン |
9 | ウェールズ |
10 | 日本 |
次に、日本の近年のランキング推移を見てみましょう。
年 | 順位 |
2004 | 20 |
2005 | 18 |
2006 | 18 |
2007 | 18 |
2008 | 18 |
2009 | 16 |
2010 | 13 |
2011 | 13 |
2012 | 15 |
2013 | 15 |
2014 | 14 |
2015 | 11 |
2016 | 10 |
2017 | 11 |
2018 | 11 |
2019 | 11 |
2020 | 8 |
本当に日本代表の躍進は目覚ましいですね!2019年のワールドカップ開催中は、瞬間的に6位まで順位が上がりました。これからは安定して一桁に入っていけるようになるといいなと思います。こんな望みは、昔は夢のまた夢でしたので、今でも本当にうれしいですが、まだまだ夢は広がりますね!
世界ランキングも上昇し、ティア1認定もされた日本。これからは更に強豪国と対戦するチャンスが増えてきます。楽しみなテストマッチがこれからドンドンやってきますよ!応援しましょう!
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