平野恵里子(女子ラグビー日本代表)スペインのセビリアで力を磨く

2019年はラグビーワールドカップ日本大会が大成功に終わり、日本代表の初のベスト8入りで日本中が感動しました。

男子ラグビーでの、日本代表の活躍は目覚ましいですが、女子ラグビーも、確実に力をつけ、盛り上がってきています。

実は2019年の11月、ラグビーワールドカップの感動冷めやらぬ中、女子日本代表も、快挙を成し遂げていました。当時世界ランク16位の日本代表は、欧州遠征にて、当時世界ランク6位のイタリアと17-17の引き分け同11位のスコットランドに24-20の劇的逆転勝利を挙げていたのです。

そして女子ラグビーワールドカップが2021年9月、ニュージーランドで開催されるのですが、そこでの日本代表の活躍も期待されるところですね。

日本代表の勝利のために、海外の強豪チームで経験を積んでいる選手たちもいます。その中の一人が平野恵里子選手です。

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ラグビーの街、釜石から世界へ。スペイン・セビリアでの挑戦

平野恵里子選手は、女子ラグビー日本代表で、主にウィング(WTB)のポジションを務めています。2017年の女子ラグビーワールドカップの日本代表に選ばれました。2020年12月から、スペイン1部リーグのチーム『ラス・ココドリラス ユニバーシタリオ・デ・セビリア ラグビークラブ』でプレーしています。

プロフィールは、

平野恵里子(ひらのえりこ)
1992年4月26日岩手県大槌町吉里吉里(きりきり)生まれ
164㎝65㎏
ポジションはウィング、センター
小学1年時、釜石ラグビースクール(現釜石シーウェイブスJr.)でラグビーを始める
釜石高校2年の時、五輪強化のためのセブンズアカデミーに選出
2011~日本体育大学
2015~YOKOHAMA TKM
2020~スペイン、ラス・ココドリラス ユニバーシタリオ・デ・セビリア ラグビークラブ

小学1年から釜石でラグビーを始めたということですが、釜石と言えば、1979~1985の間、ラグビー日本選手権7連覇を果たした新日鉄釜石のお膝元。現在、新日鉄釜石ラグビー部ではなく、『釜石シーウェイブス』というクラブチームに形を変えて、再び日本一目指して地域で応援しているチームになっていますね。

釜石は、街を挙げてラグビーを応援しているところで、実際に訪れてみると、日本製鉄の工場の屋根などに、「ようこそ 鉄と魚とラグビーのまち 釜石へ」と書いてあったりします。今でも、40歳代以上のラグビーファンなら、釜石と聞くと、特別な感情を抱きますよね。

そんなラグビーの街で鍛えられた平野選手。日本体育大学への進学を控えていた2011年3月、あの東日本大震災を経験します。避難所生活を余儀なくされていた状況ですが、ご家族の後押しで予定通り上京し、大学でも2年連続日本一に貢献する活躍でした。

2014年には女子セブンズ学生日本代表に選出。
2016年、女子15人制ラグビー日本代表に選出、アジア選手権出場
2017年、女子15人制ワールドカップ・アイルランド大会出場

2018年には、更なるレベルアップのため、オーストラリア留学をしました。

2020年、2度目のオーストラリア留学を控えていたさなか、コロナ禍で中止となりましたが、YOKOHAMA TKMのニュージーランド出身のチームメイトが力になってくれ、世界各地のチームにアピールしたところ、スペイン・セビリアのクラブと契約するに至りました。

世界ランク10位のスペイン。欧州のフィジカルなラグビーで鍛える

平野恵里子選手が渡ったスペインの女子ラグビーは、世界ランク10位の強豪(2021年3月時点)。これまでの15人制ワールドカップでは、8回中6回出場し、第1回に6位をマークしたのが最高。7人制ワールドカップでは、全3回で7位、4位、5位と好成績を収めるラグビー強豪国です。

スペインの女子ラグビーでは、平野選手が所属するセビリアは1部リーグの強豪。2019-2020シーズンはチャンピオンに輝いています。これまではアンダルシア地方の選手で固められていたようですが、現在はオーストラリア、ニュージーランドからの選手も迎え、強化を図っています。もちろんスペイン代表選手も所属しています。

条件としては、無報酬ではあるものの、日本からの往復航空券、現地での住宅と食事、ジムは提供されるというものだそうです。男子ラグビーも、他のプロスポーツに比べてまだまだ厳しいように思えますが、女子ラグビーは更に厳しいですね。

その中でも、スペイン入りして間もなく行われた開幕戦では、いきなりスタメン出場し、後半途中までプレー。チームも勝利しました。慣れない環境下だとは思いますが、すぐにチームの一員として試合に出るのは凄いことですね。

欧州の中では大柄な選手が少ないとされるスペインですが、それでも、やはりアジアでの試合よりフィジカル面でのタフさは味わっているようです。初戦では、タックルをしてもすぐに倒しきれない、という部分で反省をしていました。

オーストラリアでの経験もありますし、これから慣れていって強豪国との戦いに必要なフィジカル面を向上させていくことでしょう。

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スペインでの経験を日本代表に生かし、ワールドカップ勝利を目指す

平野選手が育った釜石の街は、岩手県の港町です。新日鉄釜石ラグビー部が7連覇を果たした時、ラグビー部は決して恵まれた環境でラグビーをしていたわけではありませんでした。東京のチームのように、高校・大学から花形選手を集めているわけでもなく、地元の高卒の選手を中心にチームを構成し、鍛えていくという方針で、「東北の厳しい環境でも中央に勝つんだ」という気概で勝ち上がったチームでした。

その当時は、ラグビーは突進して相手を倒すパワー重視のチームが多かった中、ボールを大きく動かして回すスタイルの、先進的なラグビーを志向して、優位性を作り出していました。

そんなラグビー文化のある釜石で育った平野選手ですから、言葉も通じないような慣れない環境下でも、どんどん力をつけて、スペインのラグビーを吸収して日本代表に好影響をもたらしてくれることは間違いないと思います。

平野選手の活躍の様子は、noteインスタツイッターなどでチェックできます。みんなで応援しましょう。

ラグビー
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